コールセンターでは、オペレーターとして働き始める前に、必ず研修とOJT(実践トレーニング)を経て、お客様からの電話を受電するようになります。
研修とOJTは、コールセンター業務に関わる基礎知識を学習して、お客様の応対方法を実践的に学ぶために行われます。また、コールセンター業務に合わない人を早い段階でふるいにかける役割も持っています。
研修は最終段階になるとテストが行われ、合格した人がOJTに進みます。更にOJTのテストで合格すれば、晴れて一人前のオペレーターになれるという流れです。
各テストで合格できなかった人については、社員より直々に「採用できない」と宣告されます。
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コールセンターの研修中にクビになる人の特徴
コールセンターでは、入社直後にすぐ電話を取り始めるのではなく、一定の研修期間とOJT期間を経て、期間中に行われるテストに合格した人だけが実務に取りかかれるようになります。 研修とOJTの細かい内容につ ...
"テスト"と聞くと身構えてしまいがちですが、個人的には大したものとは思いません。コールセンター業務が合う人なら普通にしていればクリアできますし、合格できなかった人はコールセンター業務が"合わなかっただけ"です。
コールセンターは、人によって合う・合わないがハッキリと別れる職業ですので、合わないなら合わないで気持ちを切り替えて別の仕事を探せば良いだけです。
このページでは、コールセンターの研修でどのようなことが行われるのか、また研修テストに合格するコツを紹介していきます。
研修の大まかな流れ
コールセンターの事業内容によって研修期間は異なりますが、短いセンターでも1週間〜長いセンターだと、1ヶ月の研修が行われます。
センターによって若干の違いはありますが、大抵は以下4段階の流れに沿って進みます。
- 座学研修(業務内容の概要、基礎知識を学ぶ)
- ペーパーテスト
- ロールプレイング(仮想のお客様相手に、対話の練習とパソコンの入力方法を学ぶ)
- ロールプレイングのテスト
研修中も時給は発生します
研修中は、実際にお客様の相手をするわけではありません。しかし、拘束されている以上は時給が発生します。
ただし研修中の時給は、求人広告に掲載されている時給額より50円低い金額になることが多いです。
研修とOJTを終えて一人前のオペレーターになると、求人に掲載されている時給になります。
座学研修
座学研修では、学校の授業と同じように講師(ベテランオペレーターか社員)がホワイトボード等を使い、研修生はマニュアルを読みながら業務内容などの基礎知識を学びます。
座学研修中は座って話を聞くだけなので一番楽な期間ですが、とてつもない睡魔が襲ってきます。特に午後の眠気は凄いです。
ただ、研修室には蓋つきのペットボトルやフリスクを持ち込めます。上手に眠気と戦いながらやりすごしましょう。
座学研修で学ぶ項目は多い(そもそもマニュアルが分厚い)ので、全てを覚えることは不可能です。
ただ、マニュアルには付箋を貼ったりマーカー書き込みをしても良いです。自分なりに工夫して重要なページをいつでも開けるようにしておきましょう。
ちなみに、座学研修中はみんな一緒の時間に休憩に入るので、この頃は同期と仲良くなりやすいです。
講師も含め、みんな和気藹々としているので楽しい雰囲気です。
ペーパーテスト
一通りの座学が終わったら、まとめとしてペーパーテストを受けます。
テストと言っても、この辺りまでは本当に身構える必要は全くありません。個人的な感想を言わせてもらうと「こんなテストやる意味あるの?」と言いたくなる内容です。
たとえば「お客様を5分間以上保留待ちさせて良い:◯か×か」のような、コールセンターで働いていない人でも少し考えたらわかる内容のテストです。
そのため、この段階では不採用宣告を受ける人も当然ながら殆どいません。
中にはマニュアルを見ながらテストを受けてよいセンターもあるくらいです。
徐々にコールセンターの向き不向きが現れてくるのは、次のロールプレイングからです。
ロールプレイング
ロールプレイングでは、マニュアルに書いてあるトークフローを見ながら、仮想のお客様(講師の方やベテランオペレーターが演じる)と対話形式で応対を行います。
マニュアルにはパターン別のトークフローが記載されています(例えば携帯電話会社なら「契約内容変更の場合」「料金確認の場合」などというように)。
最初の内は「契約内容変更についてのロールプレイングをやります」と宣言されて始めます。殆ど読み合わせをするだけなので楽です。
徐々に慣れてくるとランダムでお題を出してきたり、またイレギュラー内容の応対練習も行います。
オペーレーター業務は、実践でもマニュアルを見ながら対応して良いです(お客様からこちらの顔は見えない)。そのため、特にトークフローの流れを暗記する必要はありません。
コールセンター業務が合わない人は、この辺りから「緊張してトークフローを上手く読めない」「問い合わせ内容に対して、どのページを開けばよいのかわからない」ということが少しづつ発生する傾向にあります。
「コールセンター業務は覚えることが多い?」のページにも記載しましたが、コールセンターの業務は暗記することよりも、マニュアルのどこに何が書いてあるのかを把握して、いつでも開けるようにしておくことの方が重要です。
トーク内容は、独り立ちしてから回数を重ねると自然に覚えます。
そのため、繰り返しになりますが、研修の段階ではマニュアルに付箋を貼るなどして、該当のページをすぐに開けるよう工夫しておきます。
パソコン入力
コールセンター業務のパソコン入力は、お客様との対話内容を入力します。
入力と言っても、専用のソフトが入っていて画面上に出てくる項目を選択するだけが殆どなので、タイピング技術は必要ないです。
パソコン入力でつまづく人は少ないので、パソコンに慣れていない人でも心配する必要はないでしょう。
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コールセンターで働くのに必要なタイピング力はどの程度?
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ロールプレイングのテスト
一通りロールプレイングに慣れたら、いよいよテストを行います。
ロールプレイングのテストは、実際に電話機とヘッドセットをつけて、仮想のお客様が自身の電話機に電話してくるところから始めます。
問い合わせ内容はランダムです。ただ、実践と同じ形式で行うので、わからないことがあれば保留にして手を挙げたら(エスカレーション)すれば、上司の方が来てくれてアドバイスをくれます。
また、上でも述べたようにマニュアルを見ながら応対して良いです。
そのため、ここまで来た人であれば、緊張さえしなければ落ちることはまずないでしょう。
万が一、落ちたとしても1日後2日後に再テストしてもらえます。気持ちに余裕を持ってのぞみましょう。
コールセンターの研修は楽勝
私はこれまでに7ヶ所以上のコールセンターで研修を受け、また研修の講師を務めたこともあります。
正直、コールセンターの研修は簡単です。冒頭でも述べたように、どちらかと言うとコールセンターに合う人合わない人をふるいにかけるための要素が強いです。
会社としては、研修中とはいえ時給を払っている以上、研修生がコールセンター業務に適正かどうかを早めに判断したいのです。
研修テストにおいてとにかく大事なことは、以下の2点です。
- 該当のマニュアルページをすぐに開けるようにしておく
- わからないことがあっても「えーと」「あの」などの言葉を使わない。はっきりと「確認いたしますので、少々お待ち下さい」と言って保留にする
私が講師をしていた時も、上記2点がきちんとできている人は間違いなく合格にしていました。
逆にいえばコールセンター業務は、上記2点さえクリアできれば誰でもできます。