社員登用制度とは、アルバイトや契約社員などの雇用形態から始め、後々に正社員へと転換できる制度のことを指します。
多くのコールセンターでは社員登用制度を設けています。また、実際に契約社員やアルバイトから社員に昇格した人は多いです。
そのため社員登用制度は、正社員としての働き口を求める人にとって、希望であり目標の一つになっています。
私も契約社員から始め、3年ほどかかりましたが社員になった人間の一人です。
このページでは、これからコールセンターで社員になることに興味がある人に向けて
- コールセンターで契約社員(またはアルバイト)から社員になるまでの道のり
- 社員登用制度があるコールセンター求人の探し方
の2点を紹介します。
正社員募集と社員登用制度の違い
求人広告を見ていると社員登用制度の他に"正社員募集"の文字も稀に見かけます。
ただ、コールセンターにおける正社員募集は、未経験者や他業種の方を募集している傾向が少ないです。
どちらかと言えば、これまでに他のコールセンターで、管理者などの立場をすでに経験している方に限られているパターンが殆どです。
そのため、コールセンター未経験の方が社員を目指すのであれば、やはり社員登用制度のあるコールセンターで、最初は契約社員ないしはアルバイトとして働き始めるのが定石と言えます。
契約社員(アルバイト)から正社員になるまでの流れ
コールセンターによって若干の違いはありますが、私自身が経験した契約社員から正社員までの流れは以下の通りです。
- 契約社員として入社(10ヶ月間くらい一オペレーターとして勤務)
- 新人の研修、OJTを担当(半年間くらい)
- リーダーになる(1年半くらい)
- SV(スーパーバイザー)<正社員>になる
合計2年10ヶ月間で契約社員から正社員になりました。
契約社員から正社員になった人を他にも見てきましたが、大体3年前後で社員になる人が多かった印象です。
以下で、私が段階を踏んで正社員になるまでに意識していたことや、各立場での仕事内容も紹介していきます。
オペレーターとしての勤務(10ヶ月間)
最初は一介のオペレーターとして勤務を始め、毎日受電を続けていました。
この時、いつも意識していたのが「なるべくリーダーやSVの手を煩わせない」ということです。
どういう事かと言うと、オペレーターが何かわからないことがあった時、手を挙げたら、近くにいるリーダーやSVが駆け寄って質問に対する回答をくれます(エスカレーションという)。
クレームや苦情の電話は、オペレーターでは解決できないことが多いので、基本的にエスカレーションするのですが、中には自分で調べたらわかることなのにエスカレーションするオペレーターも多々います。
「これって何でしたっけ?」「これどうやるんでしたっけ?」など、オペレーターになったばかりの新人ならいざ知らず、勤務し始めて半年以上経つ人の中にも、マニュアルを見たらわかる内容のことでエスカレーションする人がいます。
チームリーダーやSVは、自分達の仕事をこなしながらエスカレーションに対応するので大変です。
こうした光景を見ていて大変そうだなと思い、私は極力エスカレーションせずに、自分でできることは自分でやろうと意識するようになりました。
その結果、ミスやエスカレーションの回数が殆どなかったため、チームリーダーやSVから徐々に評価されるようになりました。
新人の研修、OJTを担当(半年間くらい)
研修やOJT担当は、正直楽な仕事です。
研修に関しては、殆どマニュアルを読むだけです。
OJT担当はオペレーターの横について、一緒にお客様の音声を聞きながら、新人が困った時に助ける役目でした。
研修やOJTの内容については、以下の記事を読むとわかりやすいと思います。
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研修やOJTを担当している間は受電に回らなくて良いので楽な反面、教えている新人の中に理解が遅い人がいると不安に感じることもありました。
ただ、教え方で迷った時はチームリーダーやSVに相談できたので、大抵の問題は解決できます。
この辺りまでは責任も大きくないので、まだまだアルバイト気分で働けます。
リーダー(1年半くらい)
リーダーはややハードな仕事です。この時期が一番辛かったです。
リーダーの仕事は、オペレーターがパソコンに入力した対話内容にミスがないかの確認や、オペレーターのエスカレーションへの対応など、オペレーター達を包括して支えます。
忙しい時以外は受電に回らなくて良いのは楽でしたが、ストレスを抱えることも多かったです。
例えば、上で述べたように「調べたらわかること」をエスカレーションするオペレーターに対応したり、またオペレーターのミスで発展したクレームを引き受けて、お客様に謝罪の電話をすることもありました。
リーダーは一番ストレスを抱えやすく、リーダーになって辞めて行く人も多かったです。
他のリーダーと一緒に仕事の愚痴を話したり、飲みにいったりしている時が唯一の気休めになっていました。
コールセンターで社員を目指す人は、リーダーの期間を根気よく乗り越えられるかが重要になるでしょう。
SV(スーパーバイザー)になる<正社員>
SVはセンター全体の入電率や応答率を管理する管理職です。
パソコン画面に映る現在の入電数やオペレーターの数を確認したり、また過去の入電数からオペーレーターの必要数などを算定します。
正社員なので非常にやりがいを感じますし、また家族に社員になったことを報告できて嬉しかったですね。
ただ、正社員になるのは狭き門でもあります。
大規模なコールセンター(オペレーター数50人程度)でも、SVは常時4〜5人くらいしかいません。
そのくらいリーダーの時に辞める人が多いですし、そもそもSVの人数もそこまで必要とされていません。
そのため、リーダーの中でも特に優秀だと判断された人がSVになれます。
確かに狭き門ではありますが、根気強く続けていれば正社員になるのはそう難しくありません。
クレームやオペレーターの尻拭いが多いリーダーの時期を乗り越えられるかどうかが鍵です。
SVの方が正直言って仕事は楽です。リーダーの期間は1年半くらい(早い人だと1年くらいで正社員になる)なので大変ではありますが、人生全体で見ればたかだか1年半です。
SVになれば、その後ずっとリーダーより楽なので(もちろん責任が大きくなったりと大変な面もありますがストレスは確実に少ない)、正社員を狙ってみる価値は十分にありますよ。
社員登用があるコールセンター求人
社員登用制度があるコールセンターは、求人広告に"社員登用制度有り"と記載していることが多いです。
ただ、社員登用制度有りの求人広告は、求人広告サイトによって多い少ないがマチマチです。
探すなら、社員登用制度有りの求人広告を多く取り扱っている求人サイトで検索をかけてみるのが一番です。
社員登用制度を設けているコールセンターの求人が一番多いサイトならバイトルNEXTがおすすめです。
コールセンターの求人広告が多く、ジャパネットやイケアなどといった大手で社員登用有りの会社が満載です。
また、各求人広告には「正」や「契」といったマークがついていて、正社員登用制度ありなのか、もしくは契約社員のみの募集なのかが一目でわかります。
検索の際は、都道府県を選択して「フリーワード」の中に「コールセンター」と入力したら、求人広告が出てきます。社員登用制度有りの求人を探している人は、是非一度試してみてはいかがでしょうか。
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希望の求人が見つからない場合にはアルバイトEXでも検索をかけてみると良いと思います。
アルバイトEXは、バイトルNEXTほどに社員登用制度有りの求人は多くはありませんが、コールセンター自体の求人はとてつもなく多いです。
もし気になった広告があれば、社員登用制度を設けているかを一度電話で問い合わせてみるのも良いかもしれません。
広告には載せていないだけで、実は社員登用制度を設けている可能性も十分に考えられます。