コールセンターにおけるOJTの内容とは?独り立ち前の最後の試練

コールセンターの社員

コールセンターに入社すると、一人前のオペレーターとして受電を始める前に「研修」→「OJT」を経験し、オペレーターとしての採用テストに合格した人のみが独り立ちします。

テストに合格できなかった人は、残念ながら「採用できない」と宣告を受けてしまいます。クビということですね。

ただ、コールセンターは人によって合う合わないがハッキリ別れる仕事なので、テストに落ちても気にすることはないかと思います。

 

さて、研修の内容については、前回の記事で詳細を紹介させて頂きました。

研修講師
コールセンターの研修でやること。その内容と流れを全て解説

コールセンターでは、オペレーターとして働き始める前に、必ず研修とOJT(実践トレーニング)を経て、お客様からの電話を受電するようになります。 研修とOJTは、コールセンター業務に関わる基礎知識を学習し ...

研修とOJTの両方に共通するのは、時間を拘束される以上、時給が発生するという点です。

そのため、結果テストに落ちて採用されなかったとしても、給料は入ります。

 

今回の記事では、コールセンターにおけるOJTとはどのようなものなのか?またOJTのテスト内容を記載していきます。

これからコールセンターで働く人は「こんなことをするんだなあ」と、頭の片隅に入れておいて頂ければと思います。

<ちなみにOJTとは>

OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動である。

OJTはコールセンターのみならず、様々な職場で行なわれている実践的なトレーニングです。

私はコールセンターで初めてOJTという単語を知りました。

OJTではお客様からの電話を実際に受ける

コールセンターの電話するお客様

OJTは以下3段階に沿って、1ヶ月程度の時間をかけて進めます。

  1. 最初はベテランオペレーターが横につき、一緒にお客様の音声を聞きながら常にアドバイスをくれる
  2. 徐々にベテランオペレーターに頼らないで応対をこなしていく
  3. ベテランオペレーターが横につかなくなり、遠くの席で音声だけ聞いていてくれる
  4. テスト。SVと呼ばれるリーダーが音声を聞きながら数本の電話を取る

OJTは人によって進み具合に差が出てきます。早い人だと1週間程度で卒業しますし、1ヶ月以上かかる人もいます。

ベテランオペレーターが横についてくれている

最初は受電する度に毎回緊張しますが、ベテランのオペレーターが常に横にいるので、心配することは殆どありません。

応対中にこちらが戸惑っていると、ブギーボード(電子メモパッド)に返答内容を書いて見せてくれたり、また小さい声でアドバイスをくれます。

話の内容が全くわからなくなったら、一旦保留にして的確なアドバイスをもらいます。

1件の応対が終わるごとに、「さっきのケースはこう対応する」と更にアドバイスをもらえます。

横につくベテランオペレーターさんが面白い人だと、非常に楽しい期間です(もちろん真剣に行いますが)。

まだ手取り足取り教えてもらえるので、安心できる環境ではありますが、ゆくゆくは一人で受電しなければいけません。極力頼らずに応対することを意識しましょう。

徐々に頼らずに対応していく

応対がある程度スムーズになると、ベテランオペレーターの方からは口出しせず(明らかに間違った案内している時は、横からブギーボードなどでアドバイスしてくれる)、極力自分一人で応対を進めていきます。

ただ、この段階でも横にベテランが付いてくれているので、わからないことがあれば一旦保留にしてベテランにアドバイスを貰えます。

私は心配性なので、結構保留にして念のためベテランに確認していました。間違った案内をしてお客様に迷惑をかけるよりかは、慎重になりすぎるくらいの方が良いです。

ベテランオペレーターが横につかなくなる

いよいよ本格的に独り立ちの前段階に入ります。

とは言っても、ベテランは横についていないだけで、遠くの席でしっかり音声を聞いてくれています。

ただ、わからないことがあった時にアドバイスを求める相手はベテランではありません。

一旦保留にして手挙げ(エスカレーション)すると、SVと呼ばれるリーダーのような人が自分の元まで来てくれます。

これまでは、一緒に音声を聞いていたベテランが、何がわからないかを説明せずともアドバイスをくれていました。しかし、SVはお客様との対話音声を聞いていません。

そのため、今どういう内容の会話をしていて、何がわからないかをきちんと伝える必要があります。

なので、ハードルが少し上がります。

ただ、ここさえ乗り越えられたら、独り立ちまではあと一歩です。この段階に来れたということは、今まで横についていたベテランが「もう独り立ちできる状態に近い」と判断したからです。

冷静に1件1件の応対をこなしていきましょう。

最後にテストが行われる

コールセンターで対応中

ベテランオペレーターが横についていない状態で、ある程度の数の応対をこなすと、いよいよテストに入ります。

テストでは、SVがお客様との音声を聞きながら、本当に独り立ちしても大丈夫かを判断します。

とは言っても、やることは今までと同じです。

わからないことがあれば、一旦保留にしてエスカレーションします。今まで音声を聞いていたベテランがSVに変わったという程度です。

テストは2本〜3本の応対を聞かれて判断されます。運が悪いとややこしい内容やクレームの入電を受けることもありますが、「わからないことは保留にして手挙げ」「SVにしっかりと内容を説明する」この2点さえ抑えておけば落ちることはありません。

ここまで来れた人なら、ある程度受電のコツなども掴み始めていると思うので心配いらないでしょう。

テストまで来て落ちる人は殆どいないので、リラックスしてのぞんでほしいですね。

晴れて独り立ち

喜ぶ女性

テストに合格したら晴れて独り立ちです。一人前のオペレーターとして受電に取り掛かります。

時給が求人広告に掲載されている額になるので嬉しい瞬間です。

また、独り立ちするとリアルタイムで自分の応対音声を聞く人はいません(録音はされていますが)。私は個人的に対応音声を人に聞かれているのが嫌だったので、これも嬉しかったですね。

 

独り立ちして1ヶ月くらいは、SVに近い席で受電します。独り立ちしたとはいえ、まだまだイレギュラーな対応にはあたふたする時期だからです。

1ヶ月も働くと、マニュアルを見なくてもトークできるようになってきます。そうなると後はルーチンワークです。

新鮮なことが徐々に減っていく一方で、仕事は楽になってきます。

気の合う同期がOJTについていけず辞めてしまった、という悲しいことも起こるかもしれませんが、めげずに頑張っていきましょう。

-コールセンター