事故受付コールセンターは、アルバイト情報の中ではそこそこ見かける求人案件ですよね。
どこも時給はそれなりに高く、また求人案件には「未経験でも安心♪」などと書かれているのもよく見かけます。
ただ、事故が起こると保険金が関わってきたり事故状況の証拠化も必要なので、非常に難しい仕事なのでは?と思っている方も少なくないでしょう。
実際には、事故受付コールセンターで詳しい保険の内容を覚えたり、お金に関わる話をする必要はありません。
また証拠云々の話をする必要もありません。仕事自体は難しいものではないのです。
ただ、事故を起こした直後のお客様から連絡を受けるので、中にはパニックを起こしている方も少なからずいます。
この点は他のコールセンターと異なり少々気を使います。
今回の記事では、こうした事故受付コールセンターの仕事内容を経験者の私が余すことなくお伝えしようと思います。
事故受付コールセンターの仕事に興味を持っている方の参考になれば幸いです。
事故受付コールセンターの役割
事故受付コールセンターは、保険の加入者が事故を起こした際(当て逃げや物損も含む)に、起こした事故の概要を聴取して、内容を保険会社に提出する役割を持っています。
保険会社は事故受付センターから提出された事故概要から過失割合を判断したり、その後保険金を支払ったり、もし保険金目当ての偽装事故と思われる場合には調査を行います。
事故受付センターの役割は、あくまで事故の概要を聴取することです。
「いつ、どこで、誰が、どのようにして事故にあったのか。」こうした内容を正確に入電者から聞き取り、パソコンに入力していきます。
入電者が「赤信号で停車中に、後続車から追突された。自分に過失はない」と言っていたとしても、私達オペレーターがそれが真実かどうかを判断するわけではありません。
入電者の言う内容が真実なのか虚偽なのか、それを判断するのは保険会社の仕事です。
私達オペレーターは、ただ入電者が話す事故の概要を正確に聴取するだけです。
受付には正確さが求められる
とはいえ、入電者が話す内容に明らかな矛盾がある場合は、オペレーターが事実関係をはっきりさせる必要があります。
例えば、最初は事故当時車を運転していたのは友人だと言っていたのに、話の途中から実は車を運転していたのは保険の契約者本人でした、などということを言われたら、「では、事故当時に車を運転していたのは、契約者様ご本人で間違いないということですね?」と確認をする必要があります。
また、事故の状況をオペレーター自身が正確にイメージできるくらい、きちんと聞く必要があります。
「走行中に突然右から来た車に衝突された」だけでは不十分です。
「信号がない十字路を直進中、右方から直進してきた相手車に衝突された。相手車側の車線には一時停止線があった。」最低でもこのくらい状況を聞き出して記入します。
一見難しそうに感じられますが、オペレーターがお客様に伺う内容は、全てマニュアルに記載されています。
なので、伺う項目全てを覚える必要はありません。この辺りは他の種類のコールセンターと同様です。
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コールセンター業務は、対応する問い合わせの範囲は広いですが、覚えること自体は多くはありません。 コールセンターに入社すると、最初にとてつもなく分厚いマニュアルを渡されるので驚くかと思います。しかし、マ ...
マニュアル内容を覚えることより、入電内容ごとの対応方法が書かれたマニュアルのページをすぐに開けるよう付箋などを貼って入電に備えておけば大丈夫です。
マニュアルに沿って一つ一つの項目を正確に聞き出し、内容をきちんとパソコンに入力していくのが基本的な仕事の流れです。
センターには専門的なことに答える"相談員"が控えている
お客様の中には、事故状況を話した後「過失割合がどうなるのかを教えてほしい」と仰る方もいます。
しかし、事故受付センターでは上で述べたように過失割合を判断することはできません。
こうした時オペレーターは「後日、保険会社の担当より連絡が入ります。その際、詳しくお話しをさせて頂くことになります」という旨を伝えるのですが、中にはいてもたってもいられず判断を求める方もいます。
保険に加入しているといえど、過失割合によっては自己負担が発生する可能性もあるから当然ですよね。
ただ、オペレーターが勝手に過失割合を判断するわけにはいかないですし、保険会社の担当からの後日折り返しにも納得して頂けない場合、センターに控えている相談員に電話をパスします。
相談員とは、保険会社の担当経験がある方達で、いわば事故受付センターのお助け役のような方々です。
オペレーターでは答えられない問い合わせがあった際に、オペレーターに代わってお客様と対話します。
相談員がいるので、私たちオペレーターが専門的な内容を熟知しておく必要はありません。
淡々と事故の受付のみに集中できます。
事故受付コールセンターの良い所は何と言ってもクレームが少ないところ
実際のところ、保険会社とお客様の間でのトラブルやクレームはとんでもなく多いです。
「過失割合に納得がいかない」「保険担当者が動いてくれない」「いつになったら車の修理を始めていいんだ!?」など…
お金がダイレクトに関わる話なので、他のコールセンターの何倍ものトラブルが起きているのは間違いありません。
しかし、事故受付センターでオペレーターがこうしたクレームや苦情を受けることはほぼありません。
というのは、こうした車の保険に関するクレームは、事故受付後につく保険会社担当者とお客様の話し合いの中で発生するケースが殆どだからです。
そのため、お客様は事故受付センターにクレームをつけたところで、どうしようもないことを知っています。
事故受付後は、各お客様に保険会社の担当者がつくので、クレームは担当者に向けられるのです。
当然ですよね。事故の担当なんですから。
稀に事故受付センターに担当者への不満を入れるお客様がいるのですが(担当者が動いてくれないから担当者をかえてくれなど)、オペレーターが「わかりました。担当者をかえます」などと判断できないので、そういった時は相談員にパスします。
なので、事故受付センターのオペレーターは立場的には凄く楽です。
事故受付コールセンターで働く上で必要なタイピング能力
タイピング能力はあるにこしたとはないです。
基本的にお客様からお伺いする内容の多くは、各オペレーターが使用するパソコン画面にてプルダウンで選ぶ形式になっています。
そのため、タイピングができなくてもそこまで困ることはありません。
例えば事故の内容などを聴取したら
- 追突
- 衝突
- 当て逃げ
- 人身事故
- 対 自転車
というようなプルダウンが出てきて、該当の項目を選択していきます。
これだけですと確かにタイピングが全くできなくても問題ないのですが、稀に非常に複雑な状況で発生する事故もあります。
プルダウンに表示されない内容の事故です。
例えば4台の玉突き事故などの、事故に関わる登場人物が多くなるケースです。
こうしたプルダウンの選択だけで事故概要を現すことができない場合は、画面上の備考欄に詳細を記載する必要があるのです。
タイピングが苦手な人は、ブギーボードをメモ代わりにして、終話してから記載したメモ内容をパソコンに入力しています。
しかし、事故内容が複雑だとお客様の話を聞きながら手書きでメモするのはスピードがおいつきません。
結構疲れます。
なので、できるだけお客様の話を聞きながらタイピングできるよう、タイピングの練習をしておくことをおすすめします。
また、タイピングが能力がそこまで必要ないコールセンターでも、面接時には必ずタイピングのテストを行います。
面接時に人間性を評価されても、あまりにもタイピング能力が低いとそもそも採用されないケースもあるので、タイピングが苦手な人は練習しておくにこしたことはありません。
コールセンターの面接時に行われるタイピングテストについては、以下の記事を参考にどうぞ。
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