コールセンターでは、入社直後にすぐ電話を取り始めるのではなく、一定の研修期間とOJT期間を経て、期間中に行われるテストに合格した人だけが実務に取りかかれるようになります。
研修とOJTの細かい内容については、以前の記事に記載しているので、内容を知っておきたい方は是非目を通して頂ければと思います。
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コールセンターにおける研修では、残念ながら一定数は確実に研修をクリアできない人が出てきます。
研修をクリアできない人がどうなるかと言うと、社員より直々に「クビ」を宣言されてしまうのです。
クビを宣言されるタイミングは、個々によってバラバラです。研修後に総合的な判断をされてクビになる人もいれば、研修開始1週間後にコールセンターに向いてないと判断されてクビにされる人もいます。
では、コールセンターの研修中にクビになってしまう人にはどのような特徴があるのでしょう。
今回の記事では、これからコールセンターで働く人が研修中に挫折感を味合わなくていいように、研修講師を務めたことがある私の経験上、クビになってしまう人の特徴を挙げていきたいと思います。
クビになる人の2つの特徴「社会人としてダメな人」「研修内容に追いつかない人」
私がコールセンターの研修講師を務めていて、実際に「この人はこれ以上続けられない」と判断したのは、「社会人としてダメな人」「研修内容に追いつかない人」の2種類です。
では、その"程度"はどのくらいのものなのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
社会人としてダメな人
「社会人としてダメな人」は、会社に勤める上で常識的なことを守れない人が該当します。
具体的には
- 遅刻・当日欠勤が多い
- 研修中に私語が多い
- 感情の起伏が激しすぎる人
といった特徴を持つ人です。
遅刻・当日欠勤が多い
遅刻・当日欠勤が多い人は、たとえ理由が体調不良などの正当なものであったとしても、「研修期間が終わっても、同じように遅刻・当日欠勤を繰り返すだろう」と判断されてしまいます。
また、遅刻・当日欠勤を繰り返してしまうと、そもそも研修内容に追いつくことが困難になってしまいます。
なぜなら、研修は講師1人対研修生数名で行われるからです。遅れをとった一人のために、他の研修生の研修内容を変えて、その一人に合わせることはできません。
そのため、遅刻や当日欠勤が多い人は、早い段階でクビにされる可能性が高いです。
研修中に私語が多い
これも当然と言えることですが、研修中に私語が多い人、意外といます。
研修講師の中には、その場で私語を注意しない人もいますが、講師は研修生のことをよく見てます。
少し性格が悪いと感じるかもしれませんが、その場では注意しなくとも、後で必ず社員などに報告しているのです。
社員との相談の上、「私語があまりにも多く、研修の妨げになる」と判断されると、辞めてもらう可能性があります。
また、私語に限らず居眠りが多い人も、社員へ報告されるでしょう。
研修中は、コーヒーやフリスクなどを持ち込んで大丈夫なので、居眠りしなくていいように工夫しましょう。
感情の起伏が激しすぎる人
感情の起伏が激しすぎる人とは、例えばちょっとした事で大きな声で怒鳴りつける人や、わからないことがあると突然泣き出してしまう人などです。
こうした方は、会社にいると他のスタッフとトラブルを起こしかねないと判断されるので、やはりクビになってしまう可能性があります。
どんな仕事でもイライラすることや、分からないことは必ず出てきます。
感情を全面に出す前に、まずは深呼吸して落ち着くことを心がけましょう。
研修内容に追いつかない人
コールセンターの研修は、上で述べたように研修講師1人に対し研修生数十名で行います。
学校の授業のような情景をイメージして頂くと分かりやすいかと思います。
マンツーマンでないが故に、遅れをとっている一人に研修内容を合わせることはできません。
そのため、研修内容の理解が遅い人はどうしても目立ってしまいます。
特に、研修生同士がお客様とオペレーターの役になって行うロールプレイングでは、研修に遅れをとっている人が「何を案内したら良いのか分からない状態」になり、あたふたして目立つ傾向にあります。
研修に遅れを取らないための対策を知っておこう
ただ、コールセンターの研修において、覚えることはそう多くありません。
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というより、コールセンターのマニュアルは分厚すぎて内容が多すぎるため、全てを覚えるのは不可能です。
そのため、研修で遅れを取らないために肝心なことは、重要と思えるページに付箋を貼り、マニュアルの該当ページを必要に応じていつでも開けるようにしておくことです。
私は研修やOJTの講師をこれまで務めてきましたが、研修に追いつかなくなってしまう人は、決まってマニュアルへの付箋貼りが出来ていません。
研修中に教わる内容の一つ一つの内容は、さほど難しくありません。
そのため、確かに聞いている時はわざわざ付箋など貼る必要はないと思えてしまうのです。
しかし、冷静に考えてみると、研修期間は2週間〜長くて1ヶ月に渡ります。
また、1日に8時間もの研修時間を要するのです。そのため、教わることの量は膨大です。
教わることや実践で使用することは、マニュアルに全て記載されています。そのため、マニュアルさえ開くことができれば、研修は必ずクリアできると言っても過言ではありません。
マニュアルに記載されてない部分、つまりイレギュラーな対応や応用については、研修の次の段階であるOJTで学びます。
そのため、研修中の段階においては、繰り返しになりますが「マニュアルの該当ページをいつでも開けるよう、自分が分かるように付箋を貼ること」を心がけておきましょう。
これが出来ていれば、研修は必ずパスできます。
もし研修中にクビになっても落ち込むことはない
いかがでしたか。
コールセンターの研修を確実にパスするには、「社会人としての常識をわきまえて」「マニュアルに付箋を貼るなどして、いつでも該当のページを開くしておくための工夫」をしておくことが重要です。
しかし、社会人としての常識をわきまえて、マニュアルに付箋を貼るなどの工夫をしたとしても、研修をパスできない人も存在します。
それは、単純にコールセンターの仕事が合わない人です。
どんな人にも合う仕事合わない仕事は存在します。それはコールセンターとて例外ではありません。
どれだけ頑張っても仕事が合わなければ、研修をパスするのは中々難しいです。
しかし、研修をパスできなかったからと言って落ち込む必要はありません。
むしろ、早い段階で「コールセンターの仕事は自分に合わない」と判断できるので良い機会とすら考えられます。
自分に合うか合わないか分からずに数ヶ月続けるよりも、早い段階で辞めてしまった方が、次の仕事を探すために早く気持ちを切り替えられるでしょう。
また、コールセンターは研修中であっても時給が発生するので、決して時間が無駄になるわけではありません。
もし、研修をクリアできなかったらクリアできなかったで、早く気持ちを入れ替えて、素早く次の仕事探しに取り掛かるのが得策と言えるでしょう。
仕事の合う合わないは、やってみなければ分からない部分もあります。
しかし、合わないと思っていても、周りのスタッフとの距離感によっては、嫌々続けなければならない職場も存在するのは事実です。
コールセンターでは、嫌々続けなければいけない環境になる前に、コールセンター側からクビを宣言されるので、気兼ねなく辞めることができます。
個人的にこうした研修期間は、コールセンター側からすると"ふるい"にかけている状況で、研修生側からすると"お試し期間"のような状況です。
合わなければさっさと辞めることができるので、アレコレと考えずに、興味があればまずはコールセンターに飛び込んでみましょう。
そして、実際に研修を受けてから、続けられるかどうかを判断すると良いでしょう。