コールセンターで働こうと思っている人が懸念を抱いていること第1位は「クレームが多そう」というイメージではないでしょうか?
コールセンターで働いていると、確かに多かれ少なかれクレームを受電する機会があります。
たとえ「お客様相談室」のような、クレーム対応の専門部署を別で設けていたとしても、通常の窓口の番号しか知らないお客様もいるからです。
クレーム受電は、コールセンターで働く以上避けては通れない道ですが、コールセンターの種類によってクレーム入電の多さは異なります。
ただ、必ずしもクレームが少ない=良い(楽な)コールセンターというわけではありません。
しかし、クレーム入電の多さを知っておけば、どのようなコールセンターで働くかを決める上での参考となるのは間違いないでしょう。
そこで、このページでは、クレーム入電の多いコールセンター・少ないコールセンターと、1日にどのくらいのクレームを受電するのかを紹介します。
クレーム入電が多いコールセンター
クレーム入電が多いコールセンターに共通する特徴としては、コールセンターが扱うサービスにおいて
- 利用者の数が多い
- 利用者の年齢の幅が広い
- 複雑な契約設計を持つ
の3点が挙げられます。
使用者の数が多く、幅が広ければ、それだけサービスに対して不満を持つ人の絶対数が増えるからです。
また、契約設計が複雑であれば、契約に関するトラブルが起こりやすくなります。
上記3点が揃うコールセンターには、私たちにとって身近な存在である携帯電話(スマートフォン)の会社が挙げられます。
携帯電話(スマートフォン)会社のコールセンター
携帯電話(スマートフォン)は、今や子供からお年寄りまで、日常生活において欠かせないアイテムとなっています。
携帯電話会社は、利用者であれば誰しもが気軽に問い合わせできる総合案内窓口を設けているのはご存知かと思います。
総合案内窓口では、料金プランの変更から本体の操作方法、盗難・紛失手続きまであらゆる問い合わせに対応しています。
総合案内窓口のコールセンターへは、各携帯電話ショップへの電話と違い無料で電話できるうえに、157という覚えやすい番号のため、クレームも含めてあらゆる内容の入電が入ります。
多い時では1日に2件〜3件はクレーム入電がある
1日に2件〜3件のという数字が多いか少ないかは、個々の感覚で分かれるところではありますが、この件数は他のコールセンターに比べると確実に多いです。
ただ、クレームは、私たちオペレーターが解決することではありません。私たちの役目は、お客様が「何に対して怒っているのか」「どうしてほしいのか」を汲み取り、それを上司やクレーム対応の部署に引き継ぐことです。
クレームの対応方法については、以下の記事で詳しくまとめているので参考にどうぞ。
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そのため、クレームが多いからと言って、必ずしもストレスが溜まるというわけではありません。しかし、クレームを受電すること自体は決して楽しいことではありませんよね。
ただ、携帯電話会社のコールセンターは、最先端の情報に触れられたり、また男女比率が偏っていなくて、友人を作りやすいというメリットもあります。
職場環境はとても良く楽しいコールセンターなのですが、こうした一面もあることは求人応募をする前に知っておいた方が良いでしょう。
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クレーム入電が少ないコールセンター
クレームが少ないコールセンターには、上記とは真逆の特徴が挙げられます。
- サービス利用者の幅が限られている
- コールセンターで受付する内容が単純
具体的には「法人向けのコールセンター」「一時的に設置されたコールセンター」「自動車の事故受付コールセンター」が挙げられます。
法人向けのコールセンター
法人向けのコールセンターは、不特定多数の個人からの入電がほぼありません。
お客様は仕事の一環として入電してくるので、いわゆる"タチの悪いお客様""クレーマー"からの入電がないです。
ただ、個人向けのコールセンターより専門的で深い話になることが多いので、多少は業務が難しいと感じることがあるかもしれません。
しかし、サービスに関する専門的知識を深められるのはメリットと言えます。
一時的に設置されたコールセンター
例えば「ある会社のサービス終了に伴い設置した、新サービス案内の期間限定窓口」などは、クレームが少ない傾向にあります。
サービスの終了は、どこの会社でも終了する数ヶ月前からユーザーに告知をしています。そのため、今さらになって、サービス終了に意義を唱える類のクレーム入電は殆ど入りません。
そもそも、一時的に設置しているだけなので、仕事内容自体が単純です。新サービスの概要を説明するだけだったり、新サービス加入手続き窓口を案内するだけといったものが殆どです。
そのため、コールセンターでは込み入った話になりにくく、あまりクレームは発生しません。
ただ、こうしたコールセンターは「短期でしか働けない」「仕事内容が単純すぎて退屈」といったデメリットもあります。
短期コールセンターのバイトを探している人は、以下の記事も参考にどうぞ。
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自動車の事故受付コールセンターは、文字通り「事故の受付」を行うセンターです。
事故の受付とは、保険加入者が「いつ、どこで、誰が、どのような状況で事故にあったのか」を正確に聴取して、内容を保険会社に提出します。
保険会社は提出された内容を元に過失割合を判断したり、保険金を支払ったり、また事故の報告に虚偽の可能性があれば調査を行ったりもします。
保険金に関わる話など重要なことは全て保険会社が行うことで、事故受付コールセンターの仕事は、内容に真偽に関わらずお客様が報告した事故内容を正確に聴取するだけです。
そのため、保険金や過失割合などクレームに発展する可能性がある内容は全て保険会社の担当が対応します。オペレーターにクレームがつけられることは殆どありません。
事故受付コールセンターの内容については、以下の記事にて詳細を記載しているので、「クレーム対応なんてまっぴらごめん!」という方は、是非参考にして頂ければと思います。
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結局どんなコールセンターも一長一短
クレームの多い少ないは、どのようなコールセンターで働くかを決める上で参考になるのは確かです。
しかし、クレームだけではなく業務全体に目を向けてみれば、結局はどのようなコールセンターにも良い部分やしんどい部分があります。
また、クレームが多いと言われているコールセンターでも、働く地域や就く部門が違えば、クレーム入電率が変わる可能性もあります。
実際に働いてみないとわからない部分はたくさんあるということですね。
そのため、クレームが少ないに越したことはありませんが、”興味がある分野"のコールセンターで働くことを優先するのが、良い職場にめぐり合えるコツです。
クレームが多くても、職場環境が良ければ、最終的には"一番良い仕事だった"と思えますしね。
クレームの多い少ないは深く考えず、あくまで参考程度にして頂けたらと思います。