コールセンターの仕事が簡単か難しいかは、その人の経験や趣向によって大きく異なると言えます。
例えば、日頃から車に乗る機会があって、何度かロードサービスを利用したことのある人なら、ロードサービスのコールセンターは簡単に思えるかもしれません。
サービス利用までの流れや、コールセンターの存在意義、また自分自身の経験からお客様の立場になって対応を考えることができる可能性があるからです。
ただ、一概にコールセンターの利用経験があるからと言って、必ずしもコールセンターの仕事が簡単に思えるとは限りません。
携帯電話会社のコールセンター(157)へ架電経験のある方は多々いらっしゃると思いますが、では皆さんが皆さん携帯電話会社のコールセンターが簡単に思えるかと言うと、そうではありません。
携帯電話会社コールセンターの対応内容は幅広く、携帯電話のみに限らず、インターネット回線に関する問い合わせなども入ってくるので、携帯電話に詳しくても難しいと感じる可能性もあるでしょう。
サービス利用経験の有無のみならず、パソコン使用経験の有無や滑舌の良し悪しも、業務が簡単と感じるか難しいと感じるかを左右する要素と言えます。
そこで、今回の記事では、これからコールセンターでの仕事を始めようと思っている人に向けて
- どんな人がコールセンターを簡単だと思えるのか
- 逆に、どんな人がコールセンターを難しいと思うのか
について、5年以上コールセンターで働いてきた経験から述べていきたいと思います。
コールセンターの仕事を簡単に感じる人
コールセンターの仕事を簡単だと思える人、その決定的な要素は以下の特徴がある人だと言えます。
- 順序立てて説明するのが上手な人
物事を整理して順序立てて説明するのが上手な人は、どのようなコールセンターで働いても仕事が簡単だと思えるでしょう。
以下で理由を説明したいと思います。
オペレーターは順序立てて丁寧に説明することを何よりも求められる
冒頭にて、サービスの利用経験がある人なら仕事を簡単に感じる可能性もあると述べましたが、実はサービスの利用経験有無はそこまで大きなアドバンテージにはなりません。
なぜなら、コールセンターの業務において必要な知識や対応方法は、全て研修中に教わるからです。
利用経験があれば確かにお客様に寄り添った対応をしやすいのは事実ですが、実際にはサービスの利用経験がない人でも仕事を続けられています。
クレジットカード会社のコールセンターに、クレジットカードを持っていない学生や主婦が大勢働いているのはそのためです。
つまり、サービスに関しての知識が0な真っ白な状態でも、研修中に知識や対応方法を詰め込むので、少しくらい利用経験がある人にはすぐに近づきます。
物事を整理して順序立てて説明するのが上手な人であれば、お客様からの問い合わせ内容に対して、研修や業務の中で得た知識を組み合わせながら説明できるので、お客様の納得度を上げることができます。
説明に納得してくれたお客様は、オペレーターに感謝してくれることがあります。
また、クレームに発展しそうなお客様が相手でも、順序良く説明することができたら静まる可能性が高いです。
結果として、説明が苦手な人よりも簡単だなと感じることができるのです。
コールセンターの仕事を難しく感じる人
逆にコールセンターの仕事を難しいと感じてしまう人、これは上述した人とは対極的で物事を順序立てて説明するのが苦手な人と言えます。
知識や経験があっても、お客様の反応はダイレクトなので、自分の説明が不十分だと「どういうこと?」「ちょっとよくわからないんですけど…」と言われることが多々あるでしょう。
こうした自分の力不足を感じる場面に多々出くわすと「コールセンターの仕事は難しい」と感じるばかりか、「自分は仕事に合ってないのかも…」と思い、仕事を辞める人も珍しくありません。
物事を整理して順序立てて上手に説明するには?
物事を相手に伝わりやすく話すには「結論」と「理由」をきちんと分けて話す必要があります。
日常会話では、あまりこうした意識をする必要はありませんが(堅苦しくなるから)、お客様相手に話す時は、結論と理由を分けて話すだけで、簡潔に感じてくれます。
そして、コールセンターの仕事が難しいと感じている人は、結論と理由を分けて話すという意識を持てていないように思えます。
結論と理由を分けて話すのは、意識すれば簡単です。常に「結論を先に述べてから理由を話す」と意識しておけば、分けて話すことができます。
例えば、ロードサービスのコールセンターで働いたとして、以下のような質問を受けたとします。
- 今からロードサービスが到着するまでに何分ぐらいかかりますか?
その日が生憎、雪のため渋滞が凄まじく、本来なら15分くらいで到着できるところを30分かかるとしましょう。
説明が苦手な人に見られるのが、以下のような話し方です。
「只今、渋滞が激しいためいつもなら15分くらいで到着するのですが…この雪ですので30分くらいかかるかもしれないとロードサービス隊員に確認が取れました。」
こうした説明を聞くと、早い話が「回りくどい」と感じます。イライラしているお客様だと口調が荒くなってくるかもしれません。
そのため、先に結論を述べます。
「30分程度かかるとのことです。」
そしてお客様の反応を見て理由を述べます。
「雪のため渋滞が激しいそうです。本来であれば15分程度で到着できる距離ですが、申し訳ございません」
最後に「申し訳ございません」と付け加えておけば、お客様も「そうですか、わかりました」とスムーズに納得してくれます。
コールセンターは「結論を述べてから理由を述べる」を意識しておくだけの簡単な仕事
働き始めたばかりの頃は、様々な知識がごちゃませになって、中々順序立てた説明をするのは難しいかもしれません。
しかし、慣れてくると上述したような結論から述べて理由を話すのは簡単になってきますし、お客様の反応を見て、「このお客様にはこう説明した方がわかりやすい」という工夫もできるようになってきます。
これは早い人で研修後1ヶ月で感覚が掴めてきます。遅い人でも3ヶ月も働けば徐々にわかってくるでしょう。
業務に関する知識などは、覚えなくてもマニュアルに記載されているので、記憶力に自信のない人が仕事を難しいと感じることはありません。
それよりも、やはり重要なのは順序立てた分かりやすい説明の仕方です。
順序立てた説明ができて、お客様から感謝される回数が増えるとやる気が出ますし、やりがいも見出せるでしょう。
上述した「結論から述べて理由を述べる」という話し方は、誰でも意識すれば簡単にこなすことができるので、コールセンターの仕事を難しいかも?と身構える必要はありません。
興味があれば躊躇なく始めてみるのがおすすめですよ。