コールセンターのメリット・デメリットは働く前に知っておくべし

植物を持ち上げている人

これから始めようと思っている仕事が、自分にどのようなメリット・デメリットをもたらすのかは、雇用形態に関わらず全ての人が気になるものでしょう。

私がコールセンターで5年以上勤めてきた経験上、コールセンターにおいてもメリット・デメリットは存在します。

これからコールセンターの仕事を始めようと思っている人は、以下で述べるメリットとデメリットを理解した上で働くのが良いのではないかと思います。

「確かにそうだな」と思えるメリットもあれば、「ええ!?そんなデメリットもあるのか…」と思う内容も含まれています。

コールセンターで働くメリット

私が長年コールセンターで働いてきた経験上、確実に得られるメリットとして挙げられるのは以下の2点です。

  • 電話での応対が他業種の人より圧倒的に上手になる
  • 内容を整理しながら話をするのが上手になる

電話での応対が他業種の人より圧倒的に上手になる

アイフォンで通話中の男性

当然といえば当然のことかもしれませんが、コールセンターで働くと、電話での応対が上手になります。

例えば言葉遣いや間の置き方、話す際の抑揚のつけ方など、"電話のプロ"として経験を積んできた以上、他業種の人にはないテクニックが身につきます。

コールセンターでバイトをしようと思っている人の殆どは、将来的には別の職業に就くことになるかと思いますが、電話応対テクニックを身につけておくと、他業種の仕事に就いた時に非常に便利です。

どのような仕事であれ、取引先の方や上司などと電話で話す機会は必ずあるでしょう。

その際、電話が上手なだけで"感じが良い"と思われます。営業職などに就くは特に大きなメリットになるでしょう。

電話の応対方法というのは、簡単そうに見えて一朝一夕に身につくものではありません。

電話相手が上司やお客様だと、意識していても緊張で中々言葉が出ないこともあります。

しかし、コールセンターでの経験があると、こうした緊張しやすい電話にも動じなくなります。

内容を整理しながら話すのが上手になる

はなしをしている男性

コールセンターでの仕事は「コールセンターの仕事で覚えることは多くない」のページにも記載したように、最初のうちはマニュアルに書いてあるトークフローを読みながら対応します。

コールセンターの入電内容は、基本的にマニュアル通りの流れが多いので、悪い言い方をすると「自分の頭であまり考えずに対応できます」。

しかし、慣れてくるとトークフロー通りの対応ではなく、「こう話したらもっとわかりやすいのでは?」ということを考える余裕が出てきます。

そして、殆どのオペレーターが、自分なりの話し方を身につけられるようになってきます。

例えば、初歩的な例だと「結論から述べる」「方法論が複数ある場合は、まず方法論が複数あることを伝える」などです。

入電するお客様の中には、複数の質問をいっぺんに投げかけてくる方もいます。

そういったお客様の対応を何度も繰り返していると、内容を整理しながら話すテクニックが必然的に身につきます。

こうしたテクニックが身につくと、プライベートでも「話し方がわかりやすい」と言われるほど話上手になります。

日常生活で「これってどう説明すればいいのかな?」と思うことや、こちらが説明しているのに、相手の表情が何やらあまり理解できていなさそう、というのを経験したことある方は多いと思います。

コールセンターで働くと、こうした時、瞬時に頭の中で内容を整理して話すテクニックが身につきます。

敬語・会話の主導権を握るのが上手になる

また、コールセンターは「正しい敬語の使い方」に敏感であるため、研修では正確な敬語を教わります。

加えて、お客様との応対の中では、幾度となく会話の主導権を握るべき場面と遭遇する機会があります。

そのため、コールセンターで働いていると、敬語の使い方と会話の主導権を握るコツが自然と身について、コールセンター以外の仕事に就いた時や、日常会話においても役に立つことが多々あるのです。

なぜ会話の主導権を握るコツが身につくのか?や、それらがコールセンター以外の場面でどのように役に立つのかは、以下の記事にて詳細を記載しているので参考にどうぞ。

会話
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コールセンターで働くデメリット

コールセンターで働くデメリットには以下の2点が挙げられます。いずれも「人によっては」ではありますが。

  • 人によってはコミュニケーション能力が低下する
  • 人によってはコールセンター以外で働こうと思わなくなる

コミュニケーション能力が低下する

コミュニケーション

上で、コールセンターで働くとトーク力が上がるという旨を記載しましたが、「それなのにコミュニケーション力が低下するってどういうこと?」と思われた方もいるかもしれません。

ただ、トーク力とコミュニケーション力は別物です。

コミュニケーション力がなくても話が上手な人は大勢います。ここでいうコミュニケーション力とは、「人間関係における積極性」を指します。

 

コールセンターの人間関係は独特です。「コールセンターの人間関係には"他人に合わせなくて良い気軽さ"がある」のページにも記載したように、「付き合いたい人とだけ付き合える。一匹狼を好む人は一匹狼でいられる」環境です。

通常の仕事であれば、時には嫌々でも人に合わせることによって、徐々に仕事におけるコミュニケーション力が形成されていきます。

しかし、コールセンターではコミュニケーション力を磨く機会がありません。

そのため、最初から人間関係に関心のある人はどんどんコミュニケーション力を伸ばせますが、興味のない人はどんどん人と話さなくなっていきます。

学校の昼休みの時間に似てるかもしれません。いわゆる"ぼっち"の人はぼっちのままになりやすいです。

トーク力は上がるけど、積極的に人と話さないという不思議な状態になりやすいです。

コールセンター以外で働こうと思わなくなる

働く女性二人

コールセンターの仕事は大変な部分もありますが、慣れてしまうと非常に楽です。

オフィスワークなので体は疲れませんし、人間関係に悩むことは少ないです。また、シフトも通りやすいので、理想のワークライフバランスを構築しやすい職場といえるでしょう。

コールセンターが合う人は「もうコールセンター以外で働くのが考えられない」という状態になりやすいほどです。

こたつで寝ている犬
コールセンターの仕事が楽すぎる3つの理由。もうコールセンター以外考えられない!?

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しかし、コールセンターで働き続けることに明確な目標(社員になることを目指しているなど)がある方や、期間を決めてアルバイトとして働いているだけという方なら良いとして、一方でフリーターの方などは、ずるずるとアルバイトまたは契約社員として時間だけが過ぎていくという状態になりやすいです。

確かに、電話対応力が身につくと他の仕事で活かせますが、フリーターとしてコールセンターで働き続けるのであれば、電話対応が上手になっても大きなメリットとは言えないでしょう。

コールセンターで働き続けるのであれば、電話対応が上手なのはあたりまえだからです。

そのため、フリーターの方がコールセンターで働くのであれば、明確に「〇〇歳までには就職する」などの目標を定めておいたほうが良いでしょう。

コールセンターで働いてみよう

オフィスのモニター

コールセンターにはメリットもデメリットがありますが、働く前からメリット・デメリットばかりを気にしていてもしょうがありません。

いざ働いてみると、良くも悪くも「聞いていた内容と違う」と思うことは、どんな仕事にもあります。

私自身も、働く前はコールセンターに関する様々な情報を聞いていて、「自分には合わないだろうな」と思っていた人間の一人です。

しかし、今では5年以上勤め、社員にまでなってしまいました。

新しい仕事を始める時は、期待と不安が入り混じりやすいですが、あまり身構えすぎると固くなってしまうので、肩の力を抜いて気軽に応募してみて欲しいと思います。

-コールセンター