世の中には様々な種類のコールセンターが存在しますが、携帯電話会社ほど私たちにとって身近なコールセンターはないでしょう。
この記事を読んでいる方の中で、恐らくスマートフォンあるいはフィーチャーフォン(ガラケー)を持っていない方はいないはず。
現在はシニア向けスマートフォンや子供向けスマートフォンも開発され、もはや一昔前の携帯=若い世代 & ビジネスマンという式が完全に淘汰されたのは、誰もが日常生活の中で感じていること。
さて、そんな現代人に欠かせない携帯電話会社のコールセンターでの仕事とはどのようなものなのでしょう。
これからコールセンターの仕事を始める方にとっては気になる所ですよね。
今回の記事では、実際に携帯電話会社のコールセンターに働いた経験から、仕事の概要、良い面(メリット)、悪い面(デメリット)を余すことなく紹介していきます。
携帯電話会社コールセンターの仕事内容
実際に157に電話をしたことがある方は、何となく仕事内容の想像がつくかと思います(所謂157が携帯電話会社コールセンターです)。
私は携帯電話会社に入社して、仕事内容においてビックリしたことがあります。
それは、携帯電話会社コールセンターの受付内容の種類は多いということです。
ざっと挙げるだけでも以下の内容があります。
- 端末本体の紛失届け(回線停止やGPS検索)
- 料金明細の確認
- 契約内容の変更(プランや各種サービスの入会・退会など)
- 契約者情報の変更(住所変更など)
- 端末の操作方法問い合わせ
- 端末の故障に関する問い合わせ
- 各種サービスに関する問い合わせ(月額料金やメリットなどの案内)
- インターネット回線に関する問い合わせ(例えばauなら「auひかり」のことなど)
- 未払い料金に関する相談
今パッと思い浮かべただけでも9項目出てきました。もちろん細分化するとまだまだありますが、基本は上記9項目の問い合わせに対応します。
他のコールセンターに比べると、携帯電話会社の問い合わせ内容の幅は比較的多いという印象を私は持っています。
問い合わせ内容の幅は広いが、入電1回の応対時間は短い
ただ、携帯電話会社コールセンターの問い合わせは、5分〜長くても10分程度で終わる場合が多いので、人によっては楽に感じられるかもしれません。
どの入電内容においても、お客様は「何をしてほしいのか、何を聞きたいのか」が明確です。
そのため、オペレーターが応対方法さえ分かっていれば、スムーズに電話は終わります。
また、携帯電話会社コールセンターで行う契約内容や各種サービスの入会・退会処理などは、一般的に書類上で処理してそうですが、実際はパソコンで行います。
「クリックひとつで契約内容変更完了」と言っても語弊はありません。すみやかに変更処理を行えるので、1回1回の応対時間が短くて済むのです。
仕事内容自体は決して難しくない、ただし個人情報の取り扱いに神経を使う
問い合わせ内容の幅は広いですが、入電1本の応対時間が短いぶん話す内容は多くありません。
例えば「端末本体の紛失届け(回線停止やGPS検索)」などは、一見とても難しそうに感じられます。
しかし、実際のところは上で述べたように、パソコン画面上にてクリックひとつで完了できます。
GPS検索もパソコン上で行いますが、操作はいたって簡単です。
「コールセンターで覚えることは多くない」の記事でも述べたように、携帯電話会社においても重要なことはただ一つで、各問い合わせへの応対方法が書かれたマニュアルページをいつでも開けるようにしておけば未経験の人だろうと難なくこなせます。
そのため、「業務内容を覚えられるかどうか」について、そこまで身構える必要はありません。
それよりも気をつけたいのは、携帯電話契約ならではの個人情報取り扱いについてです。
携帯電話会社での個人情報取り扱いは要注意!
携帯電話会社コールセンターで最も神経を使うのが、個人情報の取り扱いです。
携帯電話についての問い合わせは、契約者本人以外からも多くの入電があります。
例えば友達、同僚、家族、恋人など。
通販やロードサービスなど、他のコールセンターでは少ないケースですが、携帯電話だけは様々な人から入電があります。
携帯電話を拾ったということで、赤の他人からの入電もあるくらいです。
当然、電話口の相手が誰なのかによって、対応・回答できる範囲が異なります。
ある問い合わせには契約者もしくは契約者の家族までなら回答して良いですが、ある問い合わせに関しては契約者のみにしか回答できないというケースもあるのです。
個人情報の取り扱いに注意しなければならないのは、いかなるコールセンターも同じです。
しかし、携帯電話会社以上に契約者以外から入電のあるコールセンターはありません。
また、万が一個人情報の取り扱いにおいてミスを犯してしまうと、単なる仕事上のミスよりも重大な問題として取り上げられます。
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決して難しい仕事ではありませんが、上記の理由から携帯電話会社コールセンターの仕事は、他のコールセンターよりも相当に神経を使うことは覚悟しておいた方が良いでしょう。
携帯電話会社コールセンターで働くメリット・デメリット
実際に私が携帯電話会社のコールセンターで働いてみて感じたメリット・デメリットは以下の通りです。
下記は携帯電話会社コールセンターならではの特徴であるため、これから働くことを考えている人にとっては参考になるかと思います。
- メリットその1 = 若い人が集まりやすいので職場での人間関係構築に興味がある人は友達を作りやすい
- メリットその2 = 携帯電話を安く使う方法に詳しくなる
- デメリット = 仕事自体は難しくはないが、クレームが多いためストレスを溜めやすい
メリットについて
人間関係
他のコールセンターに比べて携帯電話会社の仕事に興味を持つのは、比較的若い人が多いです。
私が働いてたセンターでは20代が6割を占めていました。
残りの4割は20代以上の人と、少数ですが10代もいました。
携帯電話会社のコールセンターは、携帯電話自体の利用者が多いため、伴って入電数も多いです。
また、多くの入電に対応できるようたくさんのオペレーターを募集しています。
コールセンター内の人間関係は独特で、人間関係構築に興味のない人は一匹狼でいられますし、興味のある人はどんどん友達を増やせます。
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20代くらいの若い人同士だと、友達ができるとプライベートでも一緒に遊んだり、また恋愛に発展することは珍しくありません。
現に私が働いていたコールセンターでも社内恋愛をしているカップルが多かったですし、プライベートでも親交があるオペレーターはいました。
職場での人間関係に興味のない人にとってはどうでもいい話ですが、新しい友達を作りたい人にとっては良い職場環境と言えます。
携帯電話を安く使う方法について詳しくなる
携帯電話会社のコールセンターで働くと、当然サービスに詳しくなります。
仕事でお客様のプラン見直しや変更をおすすめすることもあるので、自分が使用しているプランについても見直しできるようになるでしょう。
携帯電話のプランは、意外にも無駄なサービスにお金を払っていることが多いので、プラン見直しができるようになると毎月の出費が減ります。
また「あるサービスとサービスを組み合わせると、更に安く使える」など、素人では中々気づかないことを知れます。
友人や家族にも本当に良いプランを教えてあげられるのでメリットになるでしょう。
デメリットについて
デメリットは何と言っても、他のコールセンターに比べてクレームの数が多いことです。
携帯電話は複雑な契約形態を持つので、契約内容を履き違えて怒っている人がいたり、またあらゆる人間が入電してくるのでクレーマーやイタズラ電話も多いです。
多い時では1日に3件くらいのクレームを受電してしまう時もあります。
3件という数字が多いか少ないと感じるかは個々によって異なりますが、私の感覚で言えば圧倒的に多いです。
なぜなら、その他のコールセンターではクレームは珍しいものであり、数日あるいは数週間に1件受電するかどうかというレベルだからです。
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クレームや苦情の入電が多いコールセンターと少ないコールセンター
コールセンターで働こうと思っている人が懸念を抱いていること第1位は「クレームが多そう」というイメージではないでしょうか? コールセンターで働いていると、確かに多かれ少なかれクレームを受電する機会があり ...
ただ、クレーム入電は以下の記事にも書いている通り、私たちオペレーターが全てを解決するわけではありません。
私たちオペレーターは、あくまでお客様の言いたいことを汲み取り、クレームを解決できる上司なりにパスするのが役目です。
そのため、そこまで肩の荷が重いわけではありません。しかし、クレームを受電するのは気持ちが良いわけではないのは確かです。
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コールセンターで働く上で、クレーム対応はつきものです。 種類によってはクレームが少ないコールセンターもありますが、それでも働き始めたら一度はクレーム電話を受電することになるでしょう。 クレームは自分に ...
やはりメンタルが弱い人は携帯電話会社のコールセンターは続きにくいですし、気持ちの切り替えが早い人や、職場で友達を作れる人は続きます。
20代なら気にせず働いてみるのが良い
職場の人間関係なんて興味がない、一人でいたいという人でも、あなたが20代なら携帯電話会社のコールセンターで働いてみるのはおすすめです。
職場の人とそこまで深い人間関係を作らないにしても、なんだかんだで周りの人間の年齢が近いとやはり安心するものです。
私自身も職場で友人などは作らないタイプですが、やはり休憩中などに少し話す機会があったりすると、同じ年代だと盛り上がります。
ちょっとしたことですが、こうしたことがあるだけで仕事を楽しいと感じられたり励みになることもあります。
また、年代が近い人が多いと職場の雰囲気やルールもそれに伴ってくるので、中々居心地が良いです。
結果的に辞めた今でも、携帯電話会社で働いていたことは良い思い出になっています。
私の同僚の中には社内恋愛の末、結婚した人がいるくらいです。
男女のグループで旅行に行っている人もたくさんいましたよ。
是非、20代くらいの人は思い切って携帯電話会社コールセンターの仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。